渡来の文化と土着の文化が混じり合うことで、独自の文化が育まれてきた大分県国東半島。2014年この地で「国東半島芸術祭」開催されました。長崎鼻では「香々地プロジェクト」として国際的アーチストであるオノ・ヨーコ氏と韓国の現代美術界を代表するチェ・ジョン・ファ氏が参加し、それぞれの作品を設置、その後常設展示となっています。
オノ・ヨーコ
オノ・ヨーコ氏は日本生まれのアメリカの芸術家、音楽家です。ビートルズのジョン・レノン氏と結婚、レノンとの数々の共作でも知られています。オノ・ヨーコは13基のベンチ型の作品を設置しました、それが「見えないベンチ」です。このベンチに座り、添えられた彼女の詩を読むと目の前の風景が異なる世界へと変容していきます。
「見えないベンチ」からの景色。見えない音、香り、風などを感じてください。
また、願い事を書いて吊るしていく参加型アート作品「念願の木」には皆様のお願いでいっぱいです。吊るして頂いた札は一杯になると、ヨーロッパのアイスランドにある、同じくオノ・ヨーコの作品「イマジン・ピース・タワー」に送られます。タワーから発せられる強い光の束となり成層圏まで届きます。皆様の願いで地球を覆いましょう。
長崎鼻の念願の木は「月桂樹」です
チェ・ジョン・ファ ~ 花のピラミッド「色・色・色」
韓国の現代美術界を代表するチェ・ジョンファは岬全体を俯瞰できる段々畑の頂上に花のピラミッドを造りました。
彼の作品テーマは「ハッピー・トゥギャザー」、見る人を楽しく幸せな気分にしてくれます。
一番高いところから見渡します
オノ・ヨーコ、チェ・ジョン・ファ、2人の作品は、この岬を深く感じるための装置として制作されました。
作品を通して、この場所に流れる時間や関わる人々の想いを感じてみてください。
花とアートの岬づくりプロジェクト 2016~
2017年 3月 長崎鼻では「花とアートの岬づくりプロジェクト」スタート。
新たに3名のアーティストによる作品が常設展示されるようになりました。
戸田 裕介 「水土の門/天地を巡るもの‐Ⅱ(stageⅡ)」
森 貴也 「なるべく高いところから空を見る」
森 貴也 「Dream Egg 」
藤沢 さだみ 「おかしなどうぶつ -ひつじ- 」
藤沢 さだみ 「おかしなどうぶつ -しか- 」
中井川 由季 「丸くなって寄り添う」
「花にうずくまる」
藤本 由紀夫 「on the border~海を望む・海に臨む~」
木村崇人 「太陽と坐る」
ひまわりの形をしたオブジェの影の下に、人々が座り憩う「自然のベンチ」を生み出す作品です。季節や時間によって変化する影の場所に合わせ、座る位置を変えるたびに、そこで出会う草花や虫などの身近な自然が、生命の営みや循環を教えてくれます。また、満開に咲いたひまわりと枯れたひまわりのシルエットを作品の造形に取り入れ、鑑賞者に自然の一部である人の在り方を問いかけます。
淀川テクニック 「国東半島のラクダ」
四季折々に花や植物が彩り、老若男女さまざまな観光客が訪れる長崎鼻のイメージから構想された作品。本作品は、旅人を運ぶラクダをモチーフにしており、その表面は国東半島で集めた漂流物で覆われています。また、ラクダのお腹にはアーティストが国内で採取した種や植物が置かれています。これらは自由に持ち帰ったり持ち寄ったりすることができ、鑑賞だけではなく参加もできる作品となります。
鴻池 朋子 「One Wild Day」
コンセプト
太陽が顔をだす凪いだ日は、イソヒヨドリが飛んできて防波堤の手すりにとまって、興味津々にこちらの仕事を首を傾げて眺めている。ジョウビタキは自分の縄張りを侵害されたとキッキッと鳴く。コゲラが遠くで叩いている。のったりとした潮騒。夜にはイタチか野ウサギがやって来て足跡を残していった。
ある日、風が少し強くなる。分厚い雲を運んできて、陽がさあっと翳る。ついさっきまではっきりとしていた影たちが、どこかへ行ってしまった。気づくとイソヒヨドリもジョウビタキもコゲラもいなくなっている。風はもっと強くなる。ウバメガシの巨木が揺れる。風はもっともっと強くなる。波は地平線から大声を上げやってくる。嵐になる。狼はとり残される。
長崎鼻アートフェスタ作品はキャンプ場のあちこちに点在しております。
花の時期には花畑の中のアート巡りをお楽しみいただけます。